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「価格だけでは測れない価値がある」

世界が認めるアキュフェーズが、試作基板パートナーとしてエイエス電気を長年指名する理由

細部までこだわり抜かれた製品が、最高の音を生み出す。世界中のオーディオファンを魅了し続けるアキュフェーズ株式会社。その妥協なき音作りを支えるのは、製品の心臓部となる電子回路基板だ。開発の初期段階で性能の礎を築く「試作基板」の実装を、同社は長年にわたりエイエス電気に依頼している。そこには、単なる製造委託先という関係性を超えた、開発の生命線を共に担うパートナーとしての深い信頼があった。なぜ彼らは、エイエス電気を選び続けるのか。回路設計の最前線に立つ、第二技術部の小矢野貴浩様にお話を伺った。

小矢野貴浩様

お客様紹介

アキュフェーズ株式会社

アキュフェーズ株式会社

1972年の創業以来、高級オーディオの専業メーカーとして「音楽」という文化遺産の本来の姿を再現することに情熱を注ぎ続ける。その製品は、決してモデルチェンジで旧モデルを陳腐化させず、一台一台に徹底した手厚いサポートを約束することから「一生モノ」として名高い。流行を追わず、ひたすらに本質を追求するその姿勢は、国内外のオーディオファイルから絶対的な信頼を得ている。

お話を伺った方

第二技術部 回路二課 係長

小矢野 貴浩 様

回路図の作成から基板設計、部品実装、評価までを一貫して担当。アキュフェーズの「音」を最前線で生み出す、回路設計のエキスパート。

小矢野様ご自身も、中学生で音楽に目覚め、オーディオコンポを夢中でいじった経験から、ごく自然に電子工学の道を志したという。そんな音楽と技術を愛する者にとって、専門誌で常に異彩を放っていたアキュフェーズは、特別な目標だった。

「だから、ここに入社できた時はもちろん嬉しかったですね」と小矢野様は語る。しかし、そこは単なる憧れの場所ではなかった。小矢野様のように音楽と技術に深いルーツを持つ専門家たちが、それぞれのプライドと「いい音」へのこだわりを日々ぶつけ合う――アキュフェーズとは、そういう"プロフェッショナルの集団"なのだ。その言葉からは、組織の一員であると同時に、一人の技術者としての矜持が強く感じられた。

小矢野貴浩様

課題

開発の生命線を守る、試作パートナーに求める絶対条件

アキュフェーズの製品開発は、既存製品の改善点を洗い出し、性能と音質をさらに磨き上げる地道な積み重ねが主軸となる。常にタイトな開発スケジュールの中で、試作品の品質とスピードはプロジェクトの成否を左右する、まさに「生命線」だ。

「私たちの開発はチーム制で、各担当者がそれぞれのやり方で製品をブラッシュアップしていきます。そのため、試作品がスケジュール通りに、かつ完璧な状態で上がってくることが絶対条件。急な仕様変更や予期せぬトラブルはつきものですから、柔軟かつ迅速に対応できるパートナーの存在が不可欠でした」

選定理由

20年前に下された決断。それは「期待」から「確信」へ

エイエス電気との取引が始まったのは、今から約20年前。当時、選定を担当したのは小矢野様の上司にあたる方(現役員)だったという。数ある実装会社の中から、なぜエイエス電気が選ばれたのか。

「上司から聞いている一番の決め手は、やはり『地理的な近さ』だったそうです。何かあってもすぐに駆け付けられる距離は、当時から一目瞭然の価値でした」

もちろん、それだけではない。当時としてはまだ珍しかった表面実装部品への対応力を見極めるため、現場見学も行ったという。

「整理された現場や品質チェック体制を見て、『ここなら信頼できる』という強い期待感を抱いたと聞いています。もちろん、納期や本当の技術力は取引をしてみないとわかりません。しかし、その『期待』は、20年という時間の中で、決して揺らぐことのない『確信』へと変わっていきました」

📌 コラム:なぜ試作と量産を使い分けるのか?

アキュフェーズの哲学

エイエス電気に依頼しているのは、あくまで「試作実装」。量産は別の会社に依頼しているという。そこには、アキュフェーズならではの明確な哲学があった。

「試作は、設計者との密なコミュニケーションや急な変更への柔軟性、つまり"小回りが利くこと"が命です。一方で量産は、コストや生産効率が最優先。求めるものが全く違うので、それぞれの得意分野で最高の仕事をしてくれるパートナーと組むのが合理的だと考えています」

試作に求めるもの

柔軟性、スピード、設計者との密な連携(小回りが利くこと)

📊

量産に求めるもの

コスト、生産効率

導入効果

期待を超え、"作品"を共創するパートナーへ

当初の期待は、長年の取引の中でさらに大きな価値へと昇華していた。それは、単なる「製造」を超えた、細やかな配慮と心遣いの中に現れている。

見て美しい仕上がり

「何よりもまず、仕上がりが"見て美しい"ことですね。私たちは試作品をそのまま展示会に出すこともあるのですが、エイエスさんの基板は本当に綺麗で、全く恥ずかしくない。むしろ、私たちの『作品』を一緒に作ってくれているという感覚です。この品質の高さがあるから、その後の評価もスムーズに進みます」
基板

心遣いが生む信頼

その信頼は、技術面だけにとどまらない。小矢野様はあるエピソードを語ってくれた。

「以前、実装の部材を弊社で梱包してエイエス電気さんの会津営業所へ送る際、自分で梱包作業をしたことがあったんです。いざやってみると、これが想像以上に手間で…。その時に改めて気づきました。エイエスさんはいつも、基板が輸送中に絶対に壊れないよう、完璧に、そして丁寧に梱包しているということと、さらに「いつも取りに来てくれる」のが一番ラクだと…。いつもありがとうございます。」

技術力、納期、そして心遣い。そのすべてが、アキュフェーズの開発を支えている。

今後の展望

これからも"隣にいる"、頼れるパートナーとして

最後に、エイエス電気への今後の期待を伺った。

「タイトな日程でお願いすることも多いので、エイエスさんの混雑状況などが事前にわかると、私たちもより計画が立てやすくなるかもしれませんね。ですが、一番の願いは、これからも変わらない品質とスピード、そしてこの安心感を提供し続けてほしい、ということです」

最高の音を追求する開発現場の、すぐ隣にいる存在として。エイエス電気はこれからも、その信頼に応え続けていく。

貴社の開発パートナーとして

アキュフェーズ様のような信頼と実績を、貴社の開発にも。試作から量産まで、あらゆる基板課題に対応します。