はんだ付け講習の基本
はんだ付けは、電子機器製造における最も基本的かつ重要なスキルです。正しい技術を身につけることで、高品質な製品を実現できます。
はんだ付けとは
はんだ付けは、金属同士を接合するための技術です。電子機器では、電子部品と基板を電気的・機械的に接合するために使用されます。
はんだの構成
主成分は錫(スズ)60~70%、副成分は鉛(鉛フリーはんだの場合は銀、銅など)です。融点は約200℃(従来のはんだ)、約250℃(鉛フリーはんだ)です。
はんだ付けの基本工程
1. 準備段階
必要な工具ははんだこて(温度調整可能なもの推奨)、はんだ(鉛フリーはんだ推奨)、フラックス(はんだの流動性を向上させる)、こて先クリーナー、ピンセットです。
環境準備として、作業台の清掃、換気の確保(はんだの蒸気対策)、照明の確保が必要です。

2. こて先の準備
はんだ付けの成功は、こて先の状態で大きく左右されます。
こて先の手入れ方法は、こて先クリーナーで古いはんだを落とす、新しいはんだを少量つける(ティニング)、こて先の温度を確認することです。
推奨温度は従来のはんだで350~380℃、鉛フリーはんだで380~420℃です。

3. はんだ付けの手順
ステップ1:部品の配置
基板に部品を正確に配置し、ピンセットで固定します。

ステップ2:こてを当てる
こて先を部品のリード線と基板のパッドの両方に接触させます。接触時間は2~3秒で、こてを動かしません。
ステップ3:はんだを供給
こてを当てた状態ではんだを供給します。はんだの量はパッドを覆う程度で、供給時間は1~2秒です。

ステップ4:こてを引く
はんだが冷える前にこてを引きます。はんだが冷えるまで部品を動かしません(5~10秒)。

はんだ付けの品質基準
良いはんだ付けの特徴
外観は滑らかで光沢のある表面、山型または円錐形の形状、リード線が見えない状態です。
接合強度は部品が動かない、機械的に強固です。
電気特性は抵抗値が低い、信頼性が高いです。
不良なはんだ付けの例
コールドはんだは原因がこて先の温度が低い、接触時間が短いで、特徴はざらざらした表面、灰色の外観です。対策はこて先の温度を上げる、接触時間を長くすることです。
はんだ玉は原因がはんだの供給量が多いで、特徴はパッドからはみ出したはんだです。対策ははんだの供給量を減らすことです。
ドライはんだは原因がこてを引くタイミングが早いで、特徴ははんだが冷えきっていない状態です。対策は十分に冷えるまで待つことです。
初心者が犯しやすい間違い
- こて先の温度が低すぎる - はんだが流動しない。接触時間を長くして対応します。
- はんだを多く供給しすぎる - はんだ玉が発生し、隣のパッドとショートする可能性があります。供給量を減らします。
- こてを当てる時間が短すぎる - 部品とパッドが十分に加熱されず、コールドはんだになります。接触時間を2~3秒にします。
- こてを引いた後すぐに部品を動かす - はんだが冷えきっていないため、接合が弱くなります。5~10秒待ちます。
実践的なテクニック
微小部品のはんだ付け
ピンセットで部品をしっかり固定し、こて先を小さくして、はんだの供給量を少なくします。
大型部品のはんだ付け
複数のリード線がある場合は、一つずつはんだ付けします。こての温度を少し上げて、接触時間を長くします。
難しい位置のはんだ付け
照明を強くして、虫眼鏡を使用し、こて先の角度を調整します。
安全上の注意
火傷防止として、こて先は非常に熱い(350℃以上)ため、素手で触らないでください。こて置きを使用します。
蒸気対策として、はんだの蒸気は有害なため、換気を十分に行い、必要に応じてマスクを着用します。
電気安全として、はんだこての電源を確認し、濡れた手で触らないでください。
まとめ
はんだ付けは、正しい知識と実践を通じて習得できるスキルです。
重要なポイントは、こて先の温度管理が最も重要、接触時間と冷却時間を守る、はんだの供給量を適切に管理、繰り返し練習することで技術が向上することです。
エイエス電気では、はんだ付け講習を定期的に実施しています。業界の人材育成に貢献し、高品質な製品製造を支えています。

